子育ては、喜びや感動に満ちた経験ではある一方、多くの親御様が日々、悩みながら取り組んでいらっしゃることも現実です。
そうした親御様にとって、「ペアレント・トレーニング」のスキルは、子育てのヒントを提供し、大きな助けになるものと考えています。
当施設では2023年と2024年の10月から12月にかけて「ペアレント・トレーニング講座」を実施しました。
2023年は対面とオンラインの両形式で行い、それぞれ2名ずつ、計4名の方が参加してくださいました。
2024年は対面形式で実施し、3名の方にご参加いただきました。
どちらの年もご夫婦での参加が1組あり、これまでに3組のご夫婦に参加いただいております。
2023年秋のペアレント・トレーニング講座のようす
2024年秋のペアレント・トレーニング講座のようす
※いずれの画像も参加者のご了解を得て掲載しています。
当施設の講座の特徴と実践の工夫
一般的な自治体や病院で行われるペアレント・トレーニング講座では、お子様の療育を受けていることや診断名があることが受講条件となる場合が多いですが、、当施設ではどなたにも受講していただける点が特徴です。
一方で、当施設のペアレント・トレーニング講座では、発達特性を持つお子様を育てる親御様が多く参加されています。そのため、お子様の特性や家庭の状況に合わせて講座内容を柔軟に調整しながら実施しています。
2024年秋の講座では、中田洋二郎先生の『発達障害のペアレント・トレーニング簡易版』(中央法規)を参考に、「小さな変化をみつけよう」の宿題を追加しました。
この工夫により、お子様が日々成長・変化していることに親御様が気づき、ポシティブな視点を持てるよう促しました。
このように、講座の内容は毎回少しずつ改善を重ね、より良いプログラムを目指しています。
ペアレント・トレーニングの研究活動
ペアレント・トレーニングは、人間の行動を研究対象とする「応用行動分析」の理論に基づいており、その効果については国内外で多くの研究によって実証されています。
私(竹田)自身も、これまで多くの方々の協力を得てペアレント・トレーニングの効果を研究してきました。
2023年には、これまでの研究成果を世界認知行動療法会議でポスター発表させていただきました。
この発表については、別のコラムで詳しく紹介しています。
また、この発表を通じて、2024年には日本認知・行動療法学会から「国際学術交流助成」をいただくことができました。
(学会員の方は、学会ホームページにてポスターをご覧いただけます。)
この助成金は、当施設が行うペアレント・トレーニングの実践をさらに推進する大きな助けとなりました。
2023年世界認知行動療法会議
参加証明書
今後の展望
これまでは、小学校中学年までのお子様を育てる親御様を主な対象として講座を実施してきました。
しかし、中学生のお子様を持つ親御様からもご参加いただいた経験から、思春期のお子様に対応したプログラムへのニーズを強く感じています。
今後は、思春期のお子様を育てる親御様を対象としたペアレント・トレーニング講座を企画していきたいと考えています。
現在、講座内容を検討中で、まだ実現には至っていませんが、まずは短縮版の形でまず実施し、徐々に内容を拡充していければと考えています。
最後に
ペアレント・トレーニングは、親子関係を豊かにし、家庭全体の幸福度を向上させる大きな可能性を秘めています。
これからも親御様の声に耳を傾けながら、より良い講座づくりに務めて参ります。今後ともよろしくお願いいたします。
(竹田)