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不登校・登校しぶり Q&Aセミナーを実施しました

夏休み明けは学校に行きづらくなる子どもが多い時期です。

そのためお子さんの不登校・登校しぶりに悩む親御さまの参考になればと、9月に本セミナーを実施しました。

オンラインで行い、5名の保護者の方に参加いただきました。参加者からの個別のご質問にお答えしたかったので、プライバシー保護の観点から初めて有料のセミナーとし、カメラoff・匿名での参加可としました。

 

不登校でも高校には必ず進学できます

小学生・中学生の子どもが学校へ行けなくなった場合、親がまず心配になるのは進級・進学のことだと思います。義務教育課程では本人・親の希望があれば、たとえ登校できていなくても小学校・中学校では進級も卒業も可能です。

 

義務教育の「義務」とは、『子どもには教育を受ける権利があり、保護者は子どもに教育を受けさせる義務がある』という意味です。

『子どもが学校に行く義務がある』という誤った解釈を元に子どもに登校を促す親御さんをよく見かけますが、それは間違っています。

 

今や日本にはさまざまなスタイルの高校があり、誰でも必ずどこかに進学できる現状がありますから、「高校に進学できないのでは」という心配は無用です。

公立高校には内申を入学選抜時の評価の対象としない学校もあります。

また通信制サポート校は不登校生徒を対象に高校課程の学校で、高校卒業資格を得られます。

中には私立大学に推薦枠を持っているサポート校もあります。

“通信制”と名前についていますが、登校するスタイルで在学する子どもがほとんどです。

 

高校生が不登校になった場合は、通信制サポート校に転校することが多いです。

就労するためには高卒資格が必須です。

高卒資格を取得できる進路を選択しましょう。

 

不登校の原因・解決とは

文部科学省は平成28年「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知で「不登校について、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得ることとして捉える必要がある」としています。

ですから親は不登校のことで自分や子どもを責めないでほしいと思います。

 

さらに文科省は同じ通知の中で、「不登校児童生徒への支援は、『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立するいことを目指す必要があること」としています。

必ずしも学校復帰にとらわれずに子どもが主体的に動き出せるようなサポートを考えていくことが肝要でしょう。

 

不登校からの回復

セミナーでは、不登校から回復までの①初期、②中期、③後期の3段階に分けて、それぞれの時期の子どもの状態と対応についてご説明しました。

 

①初期

身体症状・精神症状が表面に現れている初期には、学校の話題は控え、子どもの心のエネルギーが溜まってくるのを待ちましょう。

 

②中期

症状が落ち着き、子どもと学校の話ができるようになったら、子ども自身がどうなりたいのかを自ら考えられるよう周囲はサポートしていきます。

 

③後期

子どもに動きが出てきたら、失敗はあるかもしれませんが、周囲は応援しながら見守ります。

 

回復に必要な具体的な支援

ケースバイケースですが、一般的には下のような資源・支援・対応が回復に繋がると考えています。

 

〇身体面・精神面のサポート、治療

〇友達との繋がり

〇担任との繋がり

〇学習の遅れを取り戻す

など

 

家族だけで解決しようと思っても、子どもを抱え込むことになりかねません。

親が家の外の支援と繋がり、時期が来たら子どもが外の支援に繋がれるよう準備をしておくことが必要でしょう。

 

不登校からの回復は子どもの自立を応援すること

わが子が学校へ行こうと行くまいと、「あなたは私の大切な子どもだよ」というメッセージを親は子に送り続けてほしいと思います。

この点において、不登校の子どもの子育ては通常の子育てと何らかわらないと思います。

しっかり親に甘えて安心できた子どもはやがて自立することができるでしょう。

親御さまからお子様へのたくさんの気持ちのサポートをお願いします。