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子どもの読み書きの困難の背景に考えられることー学習障害と眼心身症

 

 お子様が小学校入学を控えていらっしゃるご家庭では、入学後のお子様の学習について、期待と不安を抱いていらっしゃる時期かと思います。小学校入学前の文字の読み書きのレベルついては、お子さまがご自分の名前が読めたり書けたりできれば十分、と聞いたことがあります。

 

 もし読み書きにつまずきが起きている様子が見られたら、まずは学校に相談してみましょう。下のような可能性を考えてみましょう。さまざまに対応してみても学習に支障が生じているようでしたら、下記のような可能性はないか、ご一緒に考えていきましょう。

 

1.学習障害

 

 絵や図とちがって、文字・数字は線のあつまりです。学習障害は脳が線の形を正確に捉えられなかったり、捉えた線の形を手の動きに変える過程で不具合が起きたりすることで起きると考えられています。鏡文字や、”り”と”い”の書き分けが難しい・読み間違える、文字を書くのに時間がかかる、画数の多い漢字を覚えるのが困難、アルファベットが正しく書けない、英単語の綴りを覚えるのに苦労する、ひっ算の桁がそろわない、小数点を打ち間違える、など、子どもによって、また年齢によって、経験される困難はさまざまです。

 

  このようなお子さまにWISC-Ⅳという知能検査を受けていただくと、「処理速度」の結果が低くなることが多いです。(ただし「処理速度」が低いからといって、必ず学習障害であるというわけではありません) ADHD(注意欠如多動性障害)または自閉症スペクトラムの子どもに読み書きの困難が伴うこともありますが、これらの発達障害がなく、読み書きの困難だけが生じるケースもあります。

 

 学習障害が疑われる場合は、WISC-Ⅳの結果を踏まえ、学校に合理的配慮をお願いしましょう。どんな配慮が必要か、カウンセラーがお子様・親御様とご一緒に考えます。

 

 お困りが深刻な場合は、読み書き困難を改善するヴィジョントレーニングを行っている医療機関をご紹介いたします。

 

2.読み書きの困難への合理的配慮

 

 一般的には下のような配慮を学校にお願いすることが多いです。

  • 教科書、プリント、テストの漢字にルビを振る
  • 大人に問題を読み上げてもらう
  • 漢字の宿題の量を減らしてもらう
  • ノートはマス目の大きいものを使う
  • 黒板をノートに写さないでタブレットで画像として残す
  • 英単語の綴りはフォニックスを用いて覚える

  どんな配慮をお願いするかは、読み書き困難の要因によって異なってくるでしょう。まずは読み書き困難の背景にあるものを考えてみることが必要です。

 

 

3.眼心身症

 

 上記の学習障害のケースでは、子ども自らが見えづらさを訴えることはあまりなく、周囲の大人が、子どもの様子から気づくことが多いです。子ども本人が見えづらさを訴える場合は眼の心身症の可能性も考えてみるべきでしょう。

 

 まずは眼科を受診していただき、視力検査を受けると「らせん状視野」という特徴的な所見が得られるので、眼の心身症であることがわかります。背景に何らかのストレス状況があり、”見たくない”という心理があると考えられます。

 

 カウンセリングでは、症状の背景にあるストレスを推測しながら、心の重荷を軽くしていく対処を保護者・お子様と一緒に考えていきます。

 

 

4.最後に

 

 北浦和カウンセリング&サービスのカウンセラーは、小児科で心理士として、また学校でスクールカウンセラーとして、読み書きの困難を抱えたお子様と親御様のサポートした豊富な経験を持っています。お困りについてお聞きした上で、必要に応じてWISC-Ⅳの結果を用いながら、お子様の読み書きの困難の背景にあるものを考え、対応についてもご一緒に考えてまいります。どうぞご相談ください。