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不安障害の認知行動療法

 

5月から米国フィラデルフィアにある、ベック研究所のオンラインコース「不安の認知行動療法」にて、全般性不安障害、強迫性障害、パニック障害などへの認知行動療法を学びました。

 

コースの内容は、各精神疾患の定義、認知行動療法を用いた治療の概要、ロールプレイ動画、治療のポイントについての講義、などで構成され、たいへん具体的でした。「この回で学んだことを用いて、あなたが持っているケースについてフォーミュレーションしなさい」といったアクションプランが節目節目で投げかけられるため、主体的に学習する態度が促されます。(この構成は Judith Beck の近著、"Cognitive Behavior Therapy, Basics and Beyond, 3rd. ed." でも同様です。)

 

興味深いのは、一番最初のロールプレイ動画が、”セラピーに抵抗を訴えるクライエントにどう対処するか” という内容だったことです。これは認知行動療法家に限らず、セラピストがカウンセリング場面で出会う普遍的なテーマです。Judith先生の解説、「このような場面でセラピストのあなたがしなければならないことは、治療ではなく、クライエントのニーズに誠実に応え、次の回に繋げることです」は全く当を得たもので、このようなカウンセリングの基本が取り上げられていることに驚き、新鮮な気持ちで学習を始ることができました。

 

今回はコロナ対応として、料金の値引きと視聴期間の延長がありました。そのおかげでコースの視聴をなんとか終えることができ、先ごろ、修了証(下)を研究所から送っていただきました。私の名前 Kimiko Takeda が本文1行目に入っています。学んだことを、今後ご相談に来てくださる方のために役立てたいと思います。

(竹田)